日本人女性なら、日本古来の正装としては着物は欠かせませんね。
特に結婚式やなにかのパーティに呼ばれたりしたりすると、洋服よりも、やはり和装を選ぶ方が増えるとおもいます。
20歳の時は成人式で晴れ着をきましたが、その時一緒に家族写真を撮る時には、母親も和装の方が多いと思います。
特に結婚式の両家のお母さま方は、和装をしている事が多いと思います。
しかし、これから着物を用意する時には、訪問着や留袖の違いが知らないと、大事なシーンで、失敗してしまうかもしれません。
そこで、訪問着と留袖の違いとどんな場面で着たらいいのか、調べてみたので、それをご紹介しますね。
知っていそうで、なかなか知らない、これから買おうと思っている方、ぜひ参考にしてくださいね。
訪問着と留袖の違いとは
訪問着と留袖(色留袖も含む)は、一見同じようにみえます。
とくに訪問着と色留袖は柄が同じだと、どっちがどっち?なんてこともありえますよね。
見分けるポイントは、裾に柄は入っていても、上半身に、衿・肩・袖に絵柄が入っていないものが、色留袖といいます。
それに対して、訪問着は肩から流れるように絵柄が入っているものが、訪問着です。
とはいえ両方ともおめでたい柄がはいっているので、気軽に着て行けるのが特徴です。
ただ、訪問着ではフォーマルな場所には行けませんので、色留袖を1着持っていると、何かと便利だろうと思います。
黒留袖と色留袖ちがい
同じ礼装としては違いはないのですが、「黒留袖」は既婚女性が着用するもっとも格式が高いとされる「第一礼装」です。

上の写真は五つ紋が入った地色が黒の着物です。生地には地模様の無い縮緬を用いて、裾部分にのみ模様が入っているのが特徴です。
色留袖の上半身に紋を入れると準礼装にあたりますが、既婚女性で着用する中では、黒留袖を着るのが一般的です。
留袖がこんな場面に合うのは
主賓に近い親族であったり、ごく近い人であったりする時がマナーです。
例えば、結婚式の両家の格式をそろえるのにも、この黒留袖が使われます。
逆に友人や知人のパーティにこの黒留袖を使うのはマナー違反だとされてます。
本来は、お招きしたゲストのために、礼を尽くすという意味合いで、黒留袖を着るのであって、招かれた立場だと、それが逆効果になってしまうからです。
できれば色留袖にしておいた方がいいでしょう。
もしかしたら、あまり使わない可能性が高いですね。
黒留袖の紋の数が5つもいれずに3つや1つと減らして格を落としておいて、親族の結婚式や祝賀会などに着る方も増えてています。
これは色留袖にも言えます。
色留袖は「未婚の女性」でも着れますので、紋を1つ3つと入れておけば、祝賀会やフォーマルな席でも失礼がありません。黒留袖に準する礼装の一つです。
色のもつ柔らかさを生かせるのが色留袖ならではですね。淡いピンクや明るいグリーンなど、女性らしさが引き立ち柔らかさが表れて、場がぐっと華やかになります。
もし迷ったら色留袖を持っていると友人の結婚式や、パーティに呼ばれても、失礼にはあたりません。
小物はどうしたらいいのか
もちろん「黒留袖」と「色留袖」では格式の違いから、持ち物が微妙に違ってきます。
黒留袖を着る場合、合わせる帯や小物にもマナーや決まりごとがあります。
黒留袖を着る場合
帯は第一礼装にふさわしい格調の高さが求められます。
例えば、帯は、重厚感のある金地、銀地の錦織や唐織の袋帯が一般的ですし、帯揚げや帯締め、足袋などの小物類は白色が基本です。
色留袖を着る場合
帯は黒留袖と同じく、金地・銀地の錦織ですが、結婚式などで着れるように、華やかな足元にできます。また、1つ・3つ紋も同様でよいです。
紋が入っているだけでだいぶ違ってきますので、5つ紋をそろえるよりも、黒留袖3つ紋をそろえた方が、いろいろと便利なのかもしれませんね。
第一礼装にあたる「黒留袖」5つ紋を着る機会は、人生のうちにどれだけあるのでしょうか?子供の結婚式以外に思い当たるものはありませんね。
また、黒留袖も紋を3つとかにしても、あまり着ない方が多かもしれません。
勲章授賞式とか園遊会に招かれるなら別でしょうが(^^)
訪問着とは
上にも書いたように、留袖の次に格高い礼装にあたります。
肩から流れるような模様が入っています。
華やかさと品をもつ訪問着は紋を付けると準礼装となり、紋なしだとよりカジュアルになります。古典的な模様からモダンなものまで、柄行は多種多様です。
では振袖とはどう違うのかというと、「未婚の女性」の「第一礼装」が振袖にあたります。
多種多様な振袖とは全く違うので、とくに、場面を間違えてしまったら、失礼にあたるので、気を付けるべきポイントです。
どの場面に着れるのか
訪問着は、数知れないとこで着れます。
若い方からご年配まで、幅広い年齢層の方が着用できる訪問着です。
ゲストとして招かれた披露宴やパーティー、結納など晴れの席に着用したり、卒業式や入学式、お宮参りなど活躍の場は数知れません。
色留袖と少し違い、広い範囲で使えるのでとても便利です。ですが着物は高いものですので、色留袖を選ぶか、訪問着を選ぶかは迷うところですね。
小物はどうする
訪問着も色留袖と同じく、帯は袋帯を合わせます。半襟は必ず白を選びましょう。
パーティーなどで着用する際は、訪問着の地色の一色を使ってコーディネートするとより素敵になると思います。合わせるバッグはビーズやエナメル製などの、小ぶりなタイプがいいですね。
写真で見てみましょう。
左から、訪問着、色留袖の紋付、そして色留袖です。
やはり、訪問着や色留袖は華やかさがありますよね。
まとめ
既婚者の「第一礼装」が黒留袖5つ紋付きから、気軽に着れる場面からの訪問着など、その場その場のシーンに合わせて着たいものですね。
しかし今の時代は着物一着作ると結構なお値段になりますので、レンタルという方法もあります。
卒業式や入学式、お宮参りなどの機会があるのならば、訪問着の1着を作っておくのもいいかもしれません。
洋服をあれこれそろえるよりも、決まった礼装があるなら、それさえ着てしまえばよいのですから、逆に楽なのかもしれません。
せっかく日本には和服という礼装があるので、せひともこの機会に着るのも良いとおもいますよ。